銀座レカン | 今宵の勝負レストラン

今宵の勝負レストラン

東京限定!ちょっとエッチな大人のレストランを紹介します。




銀座レカン

ジャyンル:フレンチ

予算@¥20,000~¥30,000

「勝負師としての王道を歩むなら、選ぶレストランも王道でなければならない」と御託は既に王道をひた走る勝負師の存在を最近多く耳にする。同じ勝負師として、苦言を呈する意味でこの店を紹介したい。

言わずと知れたフレンチの名店。ミキモトビルの地下に広がるベルベットづくしの店舗は、こてこての厭らしさが漂う。しかしそれを感じさせないのは30年の伝統か。ある意味色々な勝負に使われたであろう店内は、その戦果か実は傷だらけ。椅子の柄など実はひどいものである。創業以来、改築をしていないという。

料理は正統派フレンチ。正統派ゆえに驚きがないが、仕事のよさは十分に感じることが出来る。コースの最後、デザートの後にワゴンでチョコレートが運ばれ、選べるが、これがトゥーマッチか。系列のパテスリー・レカンが調子悪いだけに、在庫処理か、と毒のひとつも吐きたくなる。

総じて見ると、求めるものが求めた形である、いわば伝統芸能を見る安心感のようなものを得られるのがこの店の特徴である。
心地いいのはソムリエはじめ、スタッフの質の高さ。まるでこちらの意図を予想しているかのような、しかも絶妙のタイミングでの接客がたまらない。

それだけに下劣な勝負師には危険である。スタッフと阿吽の呼吸で掛け合いができれば最強タッグのもと、勝負を仕掛けられるが、店の品位を下げる、つまりスタッフを味方につけられないお下品な勝負師では、店のアビリティを十二分に活かせないどころか、高い授業料を払うのみで終わる可能性が高くなる。つまり、経験がものをいう世界がそこには広がっているのである。

「勝負師としての王道を歩むなら、選ぶレストランも王道でなければならない」、御託を並べるのはけっこうだが、御託だけの若い勝負師には「ローマの道も一歩から」ということわざをそのまま返したい。