あさみ
ジャンル：日本料理
予算＠￥15,000～
人気のレストランは必ず付加価値がある。ラグジュアリー感を感じる、屋外で料理が食べられる、サービスレベルが高い、抜群にうまい、ワインのチョイスが通好み、知る人ぞ知るなどなど・・・。様々あるレストランの付加価値の中でこの冠が付くと思わず、いつか行きたいと思う枕詞がある。それは「予約の取れない」という言葉である。この言葉は非常に魅力的で、単純にこのお店を勝負レストランに選ぶとおそらく統計的にも勝率は高くなるのではないかと思う。そんな予約の取れない勝負レストランで桜的に今オススメするお店はここである。
店内へ入ると、すっきりした檜のカウンターが10席。店主は都内数軒で修業後、若くして名店の支店に入店した。その店ではその日の食材をその日に売り切り、仕込みは必要最低限にとどめ、料理を出す直前に仕上げる。その正統派とも言うべき技法で名物料理となった鯛茶漬をはじめ、風味を生かすために手間をかけた仕事がすべてに息づいていていて、本物だと思える手間と技を随所に見ることができる。活きた魚しか使わないし、オーダーが入ってから赤貝をむき、野菜をゆでる。
また、常識とされてきた調理法にもいま一度疑いの目を向ける。たとえば、魚の表面をさっとあぶったあとはスダチをキュッと搾って冷ます。せっかく柔らかく溶け出した脂を、氷水につけて固め、水っぽくすることはない。
ランチの鯛茶漬は江戸っ子ではなくても粋を感じる。こういう正統派の店は知性のあるステキな女性と一緒に行きたい。